内発的動機付けと外発的動機付けは、人が行動する理由や目的に関する心理学的な概念です。
内発的動機付けは、自分の内側から湧き出る興味や好奇心、達成感などによって行動することを指します。
外発的動機付けは、自分の外側から与えられる報酬や罰、評価や期待などによって行動することを指します。
内発的動機付けと外発的動機付けの違い
内発的動機付け | 外発的動機付け |
行動の動機が自分の内側にある | 行動の動機が自分の外側にある |
行動の目的が行動そのものにある | 行動の目的が行動の結果にある |
行動に対する主体性や自律性が高い | 行動に対する主体性や自律性が低い |
行動に対する満足感や楽しさが高い | 行動に対する満足感や楽しさが低い |
行動に対する継続性や努力が高い | 行動に対する継続性や努力が低い |
例えば、本を読むという行動について考えてみましょう。
本を読む理由が「自分が興味のある話題やジャンルの本を読んで知識や感性を広げたいから」という場合、これは内発的動機付けによる行動です。
本を読む理由が「学校や仕事で課された本を読んでテストやレポートに対処したいから」という場合、これは外発的動機付けによる行動です。
内発的動機付けと外発的動機付けの関係については、様々な理論や研究がありますが、一般的には、内発的動機付けが高いほど、学習や仕事の成果や品質が高くなると考えられています。
また、外発的動機付けが内発的動機付けを減少させるという現象も指摘されています。
これは、報酬や評価などの外的要因が、自分の行動の主体性や自律性を奪うと感じられるときに起こります。この現象を外的調整の過程と呼びます。
外的調整の過程を防ぐには、外発的動機付けを内発的動機付けに近づけることが重要です。
これは、報酬や評価などの外的要因を、自分の行動の目的や価値に関連付けることで可能になります。このように、外発的動機付けを内発的動機付けに変換することを内的化と呼びます。
内的化の程度
- 無動機:行動に対する動機が全くない状態。行動に対する価値や意味を認めない。
- 外的調整:行動に対する動機が外的要因によるもの。行動に対する価値や意味を自分のものとして受け入れない。
- 取り入れ的調整:行動に対する動機が外的要因によるものだが、自分のアイデンティティや目標に一部関連付ける。行動に対する価値や意味を自分のものとして一部受け入れる。
- 同一化的調整:行動に対する動機が外的要因によるものだが、自分のアイデンティティや目標に大きく関連付ける。行動に対する価値や意味を自分のものとして大きく受け入れる。
- 統合的調整:行動に対する動機が外的要因によるものだが、自分のアイデンティティや目標に完全に関連付ける。行動に対する価値や意味を自分のものとして完全に受け入れる。
- 内発的動機付け:行動に対する動機が内的要因によるもの。行動に対する価値や意味を自分のものとして自然に受け入れる。
このように、内発的動機付けと外発的動機付けは、人の行動や成果に大きな影響を与える心理学的な要素です。自分の行動の動機を見つめ直し、内発的動機付けを高めることで、より充実した人生を送ることができるでしょう。
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